昔と比べてトイレ事情は変わってきました。昔はどこの家も家族が多く、朝は戦争でした。「はよう出てーなー」「学校遅刻する」そんな会話が聞かれたものです。昨今はお家によっては一階と二階それぞれにあるところもあります。二つあればかち合うことはありません。
また、時代の移り変わりというか、夜に大便を済ます人も増えてきたように思われます。トイレのイメージも変わり、最近のトイレはマイコンで快適です。私の家でもトイレを改装した時、座るほうが楽でよい!いやしゃがまないと出るものも出ない!と家族で議論した頃が懐かしく思い出されます。
この大便、結構精神状態によって左右されるものなんです。
A君は26才、サラリーマン。JRで通勤しています。彼はなかなかの好青年です。男性であるが話をする時は、やさしい笑顔、柔らかい口調で話をします。もっかの悩みは下痢・腹痛です。
大便が家でも出ません。(もう少し早起きしてゆっくりしたら出るのかも知れないが)会社でも出ません。丹波口辺りで仕事の事を意識すると急にお腹が痛くなります。慌てて京都駅のトイレに駆け込むが、時に先客が居て右往左往する事があるそうです。学生時代にも似たような事があって、本屋さんで難しい本を探すとトイレに行きたくなったそうです。
Bさんは48歳。主婦です。年に何回か旅行されます。同級生と行かれる事もあるし、農協等、所属団体の親睦旅行に行かれる事もあります。困るのは旅行期間中、決まって四、五日便秘するということ。朝、バスが何時に出ると思うとトイレに行くのを我慢するとか。
Cさんは30歳。女性。Cさんの悩みはお腹がグルグル鳴ることです。家でご主人に 「今の音なんや」と笑われるそうである。ご主人だからいいですが、もし、かしこまった席でなったらどうしようと思うと外出が しにくいそうです。
このような症状を過敏性腸症候群といいます。昔は神経を使うと胃に来る人が多かったのですが、最近は腸に来る人が増えてきました。一種の自律神経失調症です。腸は蠕動運動をして、大便を送り出しています。その蠕動運動が何かストレスが加わると急に激しくなったり、あるいは直腸のところでぐっと緊張したりします。『断腸の思い』という言葉があります。腸が断ち切れるとはすごい表現です。腸と精神的なものとが大いに関係あるという事を昔の人も知っていたのでしょう。
このような時に漢方薬は効果を発揮します。桂枝加芍薬湯、半夏瀉心湯等です。朝ごはんを食べる。しばらくすると便意を催す。トイレに行くとバナナ状の便が出ます。すっきりした気持ちで一日の仕事に臨みたいものですね。
お店は古い佇まいが残る安町商店街にあります。京都銀行から50mほどです。
駐車場を備えていますので、ゆっくりご相談ができます。